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introduction
山本六三(やまもと・むつみ1940-2001)は、神戸市長田区に生まれ、生涯の大部分を神戸市内で過ごしながら、独自の頽廃美と幻想に彩られた作品を描き続けた画家です。高校時代に美術に目覚めた山本は、卒業後の1960年代、自らの画風の確立を求めて模索を続け、一時抽象絵画に傾倒します。その後、ほとんど独学で銅版画技法を学び、1969年の個展で発表したシュルレアリスム風の作品で新境地を開きました。70年代に入ると、ジョルジュ・バタイユなどの文学書の挿画に使用された版画作品により、彼の名は徐々に世に知られるようになります。そして、70年代の後半以降は、19世紀末美術を思わせる古典的な人物表現へと作風を移行し、神秘的なエロティシズムによって熱烈な愛好者を獲得するに至りました。

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